ベルギーを公式訪問中のトー・ラム書記長・国家主席は、現地時間の23日午後、首都ブリュッセルにある王立国際関係研究所(エグモント研究所)で、「ビジョンを行動へ―政治的決意から協力のモデルへ」と題して政策演説を行いました。
トー・ラム書記長・国家主席 王立国際関係研究所で政策演説
演説でトー・ラム書記長・国家主席は、3つのメッセージを示しました。
第一に、世界は大きな転換期にあり、分断のリスクが高まる一方、新たな機会も生まれていること。その中で、EU=欧州連合は引き続き中心的、先導的な役割を担っているとしました。
第二に、ベトナムとEUの間では、ビジョンや価値観、「戦略的自律」をめぐる考え方の共通点が広がっており、これが双方の関係をさらに発展させる強固な基盤になると指摘しました。
第三に、ベトナムとEUの関係をさらに前進させるための戦略的な方向性を示し、その中でベトナムとベルギーの関係は重要な原動力であり、協力の成果を示す象徴的な存在だとしました。
トー・ラム書記長・国家主席は、国際秩序が大きく変わる中、大国間の戦略的な競争が、経済や貿易、サプライチェーンだけでなく、戦略技術やAI=人工知能、データをめぐるルールにまで及んでいると指摘しました。
また、「経済安全保障」や「デリスキング」と呼ばれる政策によって、技術や生産のネットワークに新たな境界が生まれ、世界経済が分断されるリスクが高まっているとの認識を示しました。
そのうえで、トー・ラム書記長・国家主席は次のように述べました。
(テープ)TONG BI THU
「現実が示しているように、こうした世界規模のリスクに、一国だけで対応することはできません。問われているのは、国家の自立性を守りながら、同時に、公正で開かれ、法の支配に基づく国際秩序の構築にどう貢献していくかということです。この問いに対する答えを、ベトナムとEUはともに見いだしていかなければなりません。対話を重ねるほど、私たちは相違点よりも、戦略的な共通点や共有する中核的な価値の方が多いことに気づくと、私は信じています」
トー・ラム書記長・国家主席は、ベトナムには国際社会のパートナーによる戦略的で、公平かつバランスの取れた実効性のある協力が必要だとし、中でもEUは最も重要なパートナーの一つだと強調しました。そのうえで、今後のベトナムとEUの関係について、5つの重点分野を提案しました。
第一に、政治的信頼をさらに高め、経済安全保障の協力を強化すること。第二に、経済・貿易・投資協力を新たな段階へ引き上げるための制度的な基盤を整えること。第三に、科学技術、半導体、イノベーションの分野で協力を大きく前進させること。第四に、グリーントランスフォーメーションと公正なエネルギー移行を進めること。そして第五に、教育・人材育成と人的交流の基盤をさらに強化することです。
演説の最後に、トー・ラム書記長・国家主席は、ベルギーの国章に記された標語「団結は力なり」と、ホー・チ・ミン主席の「団結、団結、大団結。成功、成功、大成功」という言葉に触れました。
そして、この2つの言葉に共通する精神こそ、新しい時代に必要なものだと強調しました。多様性の中で団結し、互いの違いを尊重しながら歩みをともにすることで、アジアとヨーロッパの平和と繁栄に向けた新たな章をともに切り開いていこうと呼びかけました。
[VOVWORLD]